足の臭いは気になるものですが、汗をかいたり蒸れたりすればニオイがあって当然だと思っていませんか?
しかし、本来かいたばかりの汗は無臭のため、足が臭い時には何らかの病気が隠れていることもあるんです。
・清潔にしているつもりなのに足の臭いがなかなかとれない
・足の臭いが気になる…足だけじゃなく全身の汗が臭う気がする
・足だけ異常に汗をかく気がする…臭いも気になる
このような症状がある場合にはどんな原因が考えられるでしょうか。
足が臭い時に考えられる病気
足の臭いが気になる時には、水虫や糖尿病などの病気が隠れている場合があります。
足の臭いだけが気になる
足の臭いだけが気になる時には、水虫や足の多汗症の可能性があります。
水虫
水虫とは、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種が足などの皮膚に感染することで起こる病気です。
手や身体にも感染しますが、足は高温多湿で菌にとって過ごしやすく繁殖しやすい環境なので、90%近くは足に感染します。
足の指の間や足の裏・土踏まず・かかとなどが赤くジュクジュクして皮がむける、白くふやけてブヨブヨする、かゆみ・小さな水疱(水ぶくれのような)、乾燥、ひび割れなどの症状がみられます。
水虫感染者の皮膚からはがれ落ちた角質を素足で踏んだりして、その後洗い流されず皮膚に残った菌が傷ついた角質から入り込んで繁殖することで発症します。
なので、歯医者や眼科などの共用のスリッパは素足で履かないように気をつけましょう。
不潔で高温多湿の状態で感染するので、足の臭いが「クサい!!」と感じたら、水虫にも注意が必要です。
足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)
多汗症とは汗の分泌が異常に増加する病気で、全身の汗が増加する場合もありますが、手のひら・足の裏など限られた場所で汗が増加する場合もあります。
外傷や腫瘍などによる神経障害が原因になることもありますが、原因不明の場合も多いです。
幼少期~思春期頃に発汗することが多く、緊張すると多量の汗をかきます。重症の場合はしたたり落ちるほど汗をかいたり、何もしていなくても手足が湿っていたりすることもあります。
足が湿った状態だと皮膚がめくれてくることもあり、細菌などに感染しやすくなったり、ニオイが発生しやすくなります。
※足以外の臭いが特に気にならない場合は、この先を読み進めて頂く必要がないので、こちらの記事にジャンプして足の臭い改善に向けて頑張ってみて下さい。
足以外の臭いも気になる
足だけじゃなく、他の部分の臭いも気になる時には、糖尿病や肝臓の病気などが隠れている場合があります。
糖尿病
糖尿病とは、インスリンの減少もしくは作用の低下によって、食事で摂取したブドウ糖をエネルギーにうまく転換することが出来ず、血糖値が高い状態になる病気です。
不足したエネルギーを補うために、肝臓が中性脂肪を分解して脂肪酸を作り、脂肪酸からケトン体というエネルギーを合成します。
このケトン体が甘酸っぱく、果物が腐ったようなニオイがするので、糖尿病患者でケトン体が増えると、汗からこのような悪臭を放つこともあります。
その他の主な自覚症状は、尿が多い・のどが渇く・体重減少・疲れやすいなどです。
病が進行すると網膜症や腎症、神経障害などの合併症を引き起こす事もあります。
肝臓の病気
肝臓は、たんぱく質を分解する過程で生じるアンモニアという有害物質を無害な尿素に変える働きがあります。
肝臓の病気でこの機能が低下すると、分解されずに残ったアンモニアの一部が汗に含まれていて、ツーンとしたアンモニア臭を放つことがあります。
肝臓の病気はアルコールの撮りすぎや生活習慣などが原因で30~40代から発症しやすくなりますが、20代でも不摂生を繰り返している人は注意が必要です。
かなり進行しないと自覚症状が現れにくいですが、疲れやすさや肩こり、皮膚の黄疸(おうだん)、体重減少、むくみ、食欲不振などの症状が現れることがあります。
病院を受診する目安と医師に伝えるポイント
本来、汗自体は無臭なので、清潔にしていても臭いがなかなか取れない場合は、なんらかの病気を疑った方がいいかもしれません。
なかなか臭いが改善されない時には、一度皮膚科を受診してみましょう。
医師に伝えるポイントとして、
・いつ頃から臭いが気になるのか
・皮膚症状(ジュクジュク・カサカサなど)
・全身の症状(だるい・疲れやすい・体重減少など)
・ニオイの特徴(ツンとした臭い・甘酸っぱい臭いなど)
わかる範囲で詳しく伝えると診断の助けになります。
日常生活上の原因と対処法を簡単にお伝えします
足の臭いが発生している場合は、靴・靴下・足の3つの原因に集約されます。
靴や靴下が臭う
足の裏は汗をかきやすい部分で、靴や靴下によって密閉されることで高温多湿になりやすく雑菌が繁殖してニオイが発生しやすくなります。
靴や靴下のケア
靴を脱いだ後は消臭・殺菌効果のあるスプレーをし、風通しの良い日陰や乾燥剤を入れて靴をよく乾燥させましょう。
理想は1日履いた靴は、2日休ませると清潔に保て、雑菌が繁殖しにくくなります。
長時間靴を履く時には、抗菌・防臭効果のあるもの、綿・麻素材の吸湿性の優れた靴下を履いたり、こまめにストッキングや靴下を履き替えたりすることでニオイを減らすことが出来ます。
また、可能であればサンダルへの履き替えや、素足で過ごすことを増やし、通気性を良くして乾燥させることで、雑菌が繁殖しにくい環境を作ることを心がけてみて下さい。
靴の通気性
パンプスやブーツなど通気性の悪い靴は足がムレるので、ニオイが発生しやすくなります。
かといって、今日から「それら全てを履かない」というわけにはいかないと思います。もちろん「仕事上仕方なく…」「ムレるのは知ってるけど、かわいいから…」などの理由で、「わかってても履かないといけない」「わかってるけど、履きたい♪」のはとてもよくわかります。
面倒ですが、靴・靴下・足のお手入れはだけはしていきましょう。
どうしても仕事でパンプスなどを履かなければいけない時は、毎日同じ靴は履かずにきちんと手入れをすることが大切です。
爪の間や指のスキマの汚れ
ニオイの原因となる雑菌は角質の皮脂やたんぱく質をエサにして繁殖するので、足が汚れているとニオイが発生しやすくなります。
足を清潔に保つには
足は靴や靴下で密閉され、高温多湿の環境下に長い時間さらされることが多いため不潔になりやすいです。
なので、毎日の入浴で足をしっかり洗いましょう。
特に、爪の間や指のスキマは汚れが溜まりやすくなるので、特に丁寧に洗うようにします。
肌を傷つけると水虫などの菌が入り込みやすくなるので、軽石や角質取りの使用は控え、石鹸を泡立てて、手で丁寧に洗うのが良いでしょう。
また、浴室の足ふきマットやスリッパなどは清潔に洗ってよく乾燥させ、清潔に保ちましょう。
今だと珪藻土(けいそうど)のバスマットが衛生的にもいいですね。
まだ使っておられないなら、楽天やアマゾンで「珪藻土 バスマット」と検索すれば、たくさんの商品が出てくるのでご自身の好きなデザイン・色・サイズを選んで使ってみて下さい。
足の臭いが良くならない時は
足の臭い対策をいろいろ試してみても、いつまでも良くならない時には病気が隠れていないか確認するためにも、一度病院で医師の診断を受けて下さい。
翌日~近日中に受診した方がいいレベル
・かゆみ、皮がむける、爪が白くなるなどの症状がある
・清潔や消臭を心がけても良くならない
場合によっては受診した方がいいレベル
※気になる・困っている場合は受診をおすすめします。
・時々よくなり、その後繰り返さない
・足にかく汗の量が多いと感じる
まだこの記事の方法を試されていないなら、ぜひ一読することを強く強くおすすめします。
それでもなお改善が見られないなら、他の原因が考えられますので専門医にご相談下さい。